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株式会社への投資についてです。
さて、私たちが企業というとき想定する最も普通の形態は株式会社です。 総務庁が五年に一度作成している事業所統計調査によれば、日本には一九九一年現在で約一五六万の企業がありますが、その過半の七九万社は株式会社です。
私たちは、株式会社が日本の法人企業の過半を占めているという実態を前提にして、株式会社への投資の収益性と安全性について考えてみることにしましょう。

株式会社といわれる企業組織では、企業に対する経営参加権と利益参加権は出資額に応じて配分されます。
企業に対する経営参加権が出資額、つまり株式の保有額に応じて配分されることが株式会社の組織としてのルールであり、そこがいわゆる個人企業との違いになるわけです。 その意味では、株式会社を支配しているのは株主たちであって、見かけの上で会社を支配しているように見える経営者たちは、株主のいわば「代理人」として株主たちの利益のために会社を預かっているにすぎません。
これが株式会社という組織の建前論です。 もちろん、こうした建前論が常に通用するわけではありません。
日本の企業経営の現実を見ると、株主たちの利益よりも、外部債権者や従業員など株主以外の構成員との関係を重視することによって、会社の安定的な存続を実現しようとする経営者は決して珍しい存在ではありません。 そうした経営者たちが株主たちと深刻に対立しないで存在できたのは、これまでの日本経済が力強い成長を続けてきたからであり、バブルという名の明るい夢を多くの人たちが信じていたからなのでしょう。

では、バブルの時代が去るとどうなるでしょうか。 気難しくなった株主たち予想されるシナリオは、今よりもずっと収益性や安全性に神経質になった投資家たちの登場であり、気難しくなった株主たちの行動です。

そうした状況のもとでは、企業経営とその投資家たちとの関係も、今までよりずっと緊張したものになるでしょう。 動きは既に生じています。
一九九三年二月、国際石油資本のEとMが発行済み株式の二五%ずつを保有する石油精製大手のTが、株主の国際石油資本の要求をいれて九二年一二月期より年一〇割配当を実行すると報じられました。 Tは国内石油精製各社のなかでも高い利益水準を誇るいわゆる優良企業ですが、さすがに年一〇割配当を実行すれば内部留保の取り崩しになります。


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